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    独占禁止法の活用
           
〜中小企業の立場から〜
              2007.1.
                  弁護士   川  村  哲  二

 自分よりも大きな力を持っている企業と取引する場合や、大きな企業がライバル関係(競業関係)にある場合に、力の弱い中小企業(小さな小売店など、個人の事業者も同じです)が、いろいろな場面で、大企業の力に圧倒されることがあります。

 例えば、メーカーが自社以外の同種商品を他社から仕入れることを制限したり、安値での販売を禁じたり、あるいは、高額の広告協賛金の支払いを求めるなど、中小企業としては、大企業と取引せざるを得ないという弱みから、応じたくはない取引条件にしぶしぶ承諾させられるような事例もよく聞きます。また、力のある流通業者がその力を利用して、メーカーに圧力をかけ、他の中小流通業者への販売を禁止・制限したりするケースも考えられますし、融資を受けている金融機関から金融商品を購入させられるような事件も現実にありました。その他にも、さまざまな形で、有力な企業の力により、中小企業の事業活動に大きな影響を与えることがあります。

 このようなときに活用を考えてみたいのが、独占禁止法です。独占禁止法は、正式には、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」といい、公正取引委員会がその職務を行い、違反行為の規制をしています。これでおわかりのように、独占禁止法は、単に独占的な事業活動を禁止するだけではなく、広く公正な取引を確保して、事業の競争関係を適正なものとするための法律です。したがって、中小企業はもちろんのこと、消費者を保護するという点でも、重要な法律であり、経済取引の基本的な法律といえる法律です(なお、下請法や景品表示法も、独占禁止法の特別法です。)。

 ですから、相手が独占企業とまで言えない規模であっても、その商品のマーケットで有力な企業である場合や、多くの企業がまとまって一部の企業に圧力をかけるような場合にも、独占禁止法の問題となる場合が考えられます。

 そして、もし独占禁止法違反の行為があれば、公正取引委員会は、それを是正するよう命令する権限があります。また、場合によっては、その被害企業から相手方企業に対して、行為の差し止めや損害賠償などの請求が可能なケースもあります。

 このように有力な企業から圧力をかけられていると感じられる行為があった場合には、泣き寝入りをすることなく、独占禁止法違反行為について、公正取引委員会や弁護士に相談してみてください。公正取引委員会の相談窓口などについては、公正取引委員会ホームページに掲載されています。

 もちろん、場合によっては、中小企業側としても、他の企業や消費者などに対して、独占禁止法違反事件を起こす可能性があります。例えば、入札談合、価格カルテル、共同ボイコット、不当表示などは、小さな企業でも違反者となる可能性のある行為ですので、事業者にとっては、その企業規模の大小に関わらず、独占禁止法は必ず念頭に置かなければならない法律であるということがいえますね。


春陽法律事務所 弁護士 石田文三 川村哲二 昇慶一
法律コラム
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